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そのシミ、ADMかも?シミ・肝斑との見分け方とルビーレーザー治療を名古屋の形成外科専門医が解説

「シミだと思って何度もレーザーを受けたのに、頬の左右対称の“くすみ”だけがどうしても消えない」——名古屋で美容医療のセカンドオピニオンを求めて来院される方から、私たちが最もよく耳にするお悩みのひとつです。
その正体は、シミではなくADM(後天性真皮メラノサイトーシス)かもしれません。ADMは肌の「深い層(真皮)」にできるアザの一種で、一般的なシミ治療では届かず、誤った照射でかえって悪化することもある——見極めに専門的な診断が不可欠な色素性疾患です。
本コラムでは、名古屋・名駅徒歩3分のベルヴィアクリニック院長で形成外科専門医の加藤秀輝が、ADMの正体と見分け方、そして「消えない」と言われる理由から根本治療までを、解剖学的な根拠とともに徹底解説します。
この記事の要点
・ADMは「真皮」にメラニンがあるアザで、表皮のシミとは治療法が根本的に異なる
・両頬・こめかみ・鼻翼・額に左右対称で出る灰褐色〜青灰色の斑点が特徴
・IPLや弱いレーザーでは届かず、肝斑と混同した照射は悪化リスクがある
・治療の主役はメラニンへの吸収に優れたルビーレーザー(694nm)。複数回の計画的照射が必要
・最重要は「シミ・肝斑・ADMの正確な鑑別診断」。形成外科専門医の見極めが結果を左右する
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは?
ADMは「Acquired Dermal Melanocytosis」の略で、日本語では後天性真皮メラノサイトーシス、別名遅発性両側性太田母斑様色素斑(そばんようしきそはん)とも呼ばれます。生まれつきではなく、多くは13歳以上(大半は20歳以上)で「後天的に」現れるのが名前の由来です。
見た目は直径1〜3mmほどの斑点が集まったもので、色は灰褐色・青灰色・くすんだ茶色。境界がぼやけていることが多く、「なんとなく顔全体がくすんで見える」原因になっていることも少なくありません。
ADMが出やすい部位・特徴
好発部位
頬骨のあたりを中心に、目の下・鼻根部・小鼻・こめかみ・額の外側など。多くは左右対称に出ます。
色調・形
灰色がかった青褐色。輪郭がぼやけた小さな斑点が「群れ」で分布します。
好発年齢・性別
13歳以上(大半は20歳以上)に発症。女性に多く見られますが、男性にも生じます。
経過
自然には消えず、紫外線などの刺激で少しずつ濃くなる傾向があります。
ADMが現れやすい代表的な6部位
①頬骨のあたり(頬骨突出部)/②目の下(下眼瞼)/③目と目の間(鼻根部)/④小鼻(鼻翼)/⑤こめかみ〜上まぶたの外側(上眼瞼外側)/⑥額の外側(前額外側)。
すべてに必ず出るわけではなく、「①頬骨のあたり」に最も多く見られます。
なぜADMができるのか(解剖学的な根拠)
肌は表面から表皮 → 真皮の順に層をなしています。通常、色素を作る細胞「メラノサイト」は表皮の一番下(基底層)にだけ存在します。ところがADMでは、本来そこにいないはずのメラノサイトが真皮の中に散在し、そこでメラニンを作り続けてしまいます。
色が青灰色に見えるのは「チンダル現象」によるものです。メラニンが皮膚の深い位置にあるほど、光の散乱によって私たちの目には茶色ではなく青みがかって映ります。つまりADMの独特な色調こそが、「これは深い層の色素だ」という診断上の重要なサインなのです。この“色素が存在する深さ”の違いが、後述する治療法の選択を根本から左右します。
ADMとシミ・肝斑・そばかすの見分け方【比較表】
ADM治療で失敗しないための最大のポイントは、「そのシミが本当にシミなのか」を正しく鑑別することです。似て見える4つの色素性疾患を、専門医の視点で整理しました。
| 項目 | ADM | 老人性色素斑(シミ) | 肝斑 | そばかす |
|---|---|---|---|---|
| 存在する深さ | 真皮(深い) | 表皮(浅い) | 主に表皮 | 表皮(浅い) |
| 色 | 灰褐色〜青灰色 | 濃い茶色 | 薄い褐色・もや状 | 明るい茶色 |
| 形・境界 | 小斑点が群在・境界不明瞭 | 円形・境界明瞭 | 面状・境界不明瞭 | 1〜数mmの点が散在 |
| 左右対称性 | 対称(両頬) | 非対称 | ほぼ対称 | 対称 |
| 主な発症時期 | 20代以降(後天的) | 中年以降 | 30〜40代・妊娠/ホルモン | 幼少期〜思春期 |
| 適した治療 | ルビー等のQスイッチ/ピコ・ルビーフラクショナル | スポット照射・IPL | 内服・トーニング(刺激を避ける) | レーザー・IPL |
最も注意すべきは「肝斑との併発」です。ADMと肝斑は同じ頬に重なって存在することが珍しくありません。肝斑に強いレーザーを当てると悪化するため、両者が混在しているケースでは「どちらがどれだけあるのか」を見極めたうえで治療順序を設計する必要があります。自己判断やセルフ診断が最も危険な理由がここにあります。
ADMが「消えない」「治療で悪化した」と言われる理由
「シミ取り放題」や「IPLフォトフェイシャル」を繰り返しても頬のくすみが取れない——これはADMの性質を考えれば当然の結果です。理由は主に3つあります。
① 色素が「深すぎて」光が届かない
IPL(光治療)や表皮向けのマイルドなレーザーは、表皮のシミには有効ですが、真皮のメラニンには十分なエネルギーが届きません。表面をいくら治療しても、深部のADMはそのまま残ります。
② シミと誤診され、間違った機器が選ばれている
ADMは知識がないと通常のシミと見分けが難しく、波長やターゲットの合わない機器で照射されているケースがあります。ADMのメラニンを狙うには、メラニンへの吸収率が高い波長を選ぶことが前提条件です。
③ 肝斑を巻き込んで刺激し、色ムラが悪化
前述のとおりADMと肝斑が混在している頬に不用意な照射を行うと、肝斑が反応して炎症後色素沈着(PIH)を招き、「治療前より濃くなった」という事態になりかねません。ADM治療は“攻める照射”と“守る診断”の両立が求められます。
ADMの治療法|なぜルビーレーザー(694nm)が主役なのか

ADM治療の鍵は「波長」です。レーザーは波長によって反応するターゲットが決まります。ルビーレーザーの694nmは、数あるレーザーの中でもメラニンへの吸収率が最も高い波長帯のひとつで、血管などへの余計なダメージを抑えつつ、深部の色素にピンポイントで作用できます。これがADMにルビーレーザーが選ばれる理由です。
一方で、従来のQスイッチルビーレーザーは効果が高い反面、かさぶたやテープ保護といったダウンタイムが治療のネックになりがちでした。ADMは複数回の照射が必要なため、ダウンタイムが長いと次の治療まで期間が空き、完了までに時間がかかります。そこで役立つのがレーザーを点状に分割するルビーフラクショナルです。ダウンタイムを抑え、翌日からメイク可能なケースが多いため、回数を要するADMでも日常生活の負担を抑えながら計画治療を継続できます。
ルビーフラクショナルの仕組みや実際の治療の流れは、
関連コラム「ルビーフラクショナルでシミ・ADMを根本治療」
で詳しく解説しています。
主な治療の選択肢
ルビースポット(Qスイッチ・ピコ)
濃く範囲が限られたADMに対し、狙った部位へ高出力で照射。かさぶたを経て色素が排出されます。
ルビーフラクショナル
レーザーを点状に分割して照射。広範囲・薄めのADMや、ダウンタイムを抑えたい方に向きます。
内服・外用の併用
肝斑併発時やPIH予防のため、トラネキサム酸などの内服・美白ケアを組み合わせます。
複数回の計画照射(クール)
そばかすが1クール(約3回)を目安とするのに対し、ADMは深いため3クール(約9回)程度が一つの目安。約1か月間隔で計画的に行います。
ルビースポットとルビーフラクショナル、どちらを選ぶ?【決め手】
同じルビーレーザー(694nm)でも、「面で狙うスポット照射」と「点状に分割するフラクショナル」では向き・不向きがあります。ADMの状態とライフスタイルで選び分けます。
| 比較項目 | ルビースポット(Qスイッチ/ピコ) | ルビーフラクショナル |
|---|---|---|
| 向いている状態 | 濃く・範囲が限られたADM/単発〜数か所 | 薄く広がる・両頬全体のくすみ/広範囲 |
| 照射の考え方 | 狙った部位に高出力でピンポイント | 点状に分割し面をムラなく |
| ダウンタイム | かさぶた・テープ保護が必要な場合あり(やや長め) | 軽め。翌日からメイク可能なケースが多い |
| 肝斑併発時 | 刺激が強く慎重な判断が必要 | 熱が分散しマイルド。比較的選びやすい |
| 生活への負担 | 休みを取りやすい方向き | 忙しい方・複数回を継続したい方向き |
| 目安の回数・間隔 | おおむね2〜4回/ダウンタイムのため約3〜6か月間隔 | 3クール(約9回)/約1か月間隔 |
【早見表】迷ったときの決め手
| あなたの状態・ご希望 | おすすめ |
|---|---|
| ・ADMが濃くて狭い ・早く結果を出したい ・ダウンタイムの休みが取れる |
ルビースポット |
| ・くすみが薄くて広い ・ダウンタイムを避けたい/翌日メイクしたい ・肝斑が混在している |
ルビーフラクショナル |
| 回数・間隔の目安 | スポット:2〜4回/約3〜6か月間隔 フラクショナル:3クール・約9回/約1か月間隔 |
実際には両者を組み合わせたり、まずマイルドなフラクショナルで様子を見てから濃い部分にスポットを追加する、といった設計も可能です。最終判断は診察での鑑別が前提——自己判断では決められない点にご注意ください。
どの機器・出力が最適かは、ADMの濃さ・分布・肝斑の有無・肌質によって一人ひとり異なります。ベルヴィアクリニックでは肌診断も踏まえ、ジュール数やパルス幅をミリ単位で調整して照射設計を行います。
ADM治療のリスク・デメリット(正直にお伝えします)
効果の大きい治療だからこそ、リスクを理解したうえで受けていただくことが大切です。以下は必ず知っておいていただきたい点です。
炎症後色素沈着(PIH):照射後に一時的に色が濃くなることがあります。特にアジア人の肌では起こりやすく、UVケアと内服で予防・軽減します。
複数回の治療が必要:1回で完全に消えることは少なく、時間と費用がかかります。「一度で終わる」という説明には注意が必要です。
ダウンタイム:赤み・かさぶた・一時的な色素沈着が生じます。スポット照射ではテープ保護が必要な場合もあります。
肝斑併発時の悪化リスク:診断を誤ると肝斑を刺激して悪化させます。正確な鑑別が前提です。
再発・残存の可能性:深部の色素が完全に消えきらない、あるいは経過とともに再び目立つこともあります。
ADMこそ「誰が診断するか」で結果が変わる
ADMは、機器のカタログスペックよりも診断力が結果を決める疾患です。ADM・シミ・肝斑・そばかすを肉眼と経験で見極め、混在した色素をどの順序で・どの出力で治療するかを設計できるかどうか。ここに医師の力量が表れます。
近年増えている、研修を終えてすぐ美容分野に進む医師(いわゆる「直美(チョクビ)」)による画一的なメニュー提案では、この鑑別と照射設計の難しさに十分対応できないことがあります。ベルヴィアクリニックでは、皮膚腫瘍やアザの診断・治療を数多く手がけてきた形成外科専門医が、一つひとつの色素を診査したうえで治療方針を立てます。「何をしても消えなかった」方こそ、まず正確な診断から始めてください。
名古屋・名駅でADM治療がベルヴィアクリニックで選ばれる理由
形成外科専門医による鑑別診断
院長・加藤秀輝がADM・シミ・肝斑を見極め、責任を持って診断します。
深さに合わせた照射設計
色素の深さ・肌質に合わせ、出力とパルス幅を細かく調整します。
アフターケアの徹底
PIH予防の内服・UVケア・保湿指導まで一貫してサポートします。
名古屋駅(名駅)徒歩3分
通いやすい立地で、複数回の計画治療も無理なく継続できます。
院長・加藤秀輝からのコメント
ADMは、正しく診断されれば十分に改善が狙える一方で、シミと取り違えられて遠回りしてしまう方が本当に多い疾患です。私は形成外科医として長年アザや色素性病変と向き合ってきました。大切なのは「消す」ことを焦る前に、まず“それが何であるか”を正確に見極めること。そのうえで、リスクも含めて納得いただける治療計画をご提案します。頬のくすみに長く悩んできた方こそ、一度きちんと診断を受けにいらしてください。
よくあるご質問(ADM)
Q1. ADMとシミは自分で見分けられますか?
見た目が似ているため自己判断は困難です。特に肝斑との併発は誤ると悪化するため、専門医の診断をおすすめします。
Q2. ADMは何回くらいの治療で改善しますか?
深さや濃さによりますが、目安は3クール(約9回)程度です。そばかす(約3回)より多くの回数を要し、約1か月間隔で計画的に行います。1回で完治するケースは多くありません。
Q3. 過去に他院でシミ治療を受けても消えませんでした。可能性はありますか?
消えなかった原因がADMであることは少なくありません。波長の合った治療で反応する可能性があります。まず診察を受けてください。
Q4. 治療で逆に濃くなることはありますか?
炎症後色素沈着(PIH)が一時的に生じることがあります。UVケアと内服で予防・軽減し、経過を見ながら治療します。
Q5. ダウンタイムはどのくらいですか?
照射方法によりますが、赤みや薄いかさぶたが数日〜1週間程度。スポット照射ではテープ保護が必要な場合があります。
Q6. 肝斑があってもADM治療はできますか?
可能ですが順序が重要です。まず内服などで肝斑を落ち着かせてからADMを照射するなど、安全なプランを設計します。
Q7. カウンセリング当日に治療できますか?
診断結果と肌状態によります。まずは正確な診断を優先し、最適なタイミングをご提案します。予約状況により柔軟に対応します。
Q8. ルビースポットとルビーフラクショナル、どちらが向いていますか?
目安として、濃く狭いADMで休みが取りやすい方はスポット、薄く広いくすみやダウンタイムを避けたい方・肝斑が混在する方はフラクショナルが向きます。組み合わせも可能で、最終的には診察での鑑別で決定します。
記事監修医師
BelleViaClinic 院長
加藤 秀輝
日本専門医機構認定
形成外科専門医・指導医
整形外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
日本頭蓋顎顔面外科学会 専門医
【他資格・所属学会】
大学医学部を卒業後、形成外科および美容外科の最前線で研鑽を積み、日本専門医機構認定の形成外科専門医を取得。通算20年以上のキャリアの中で、JSAPS専門医をはじめとする複数の専門資格を保有しております。これまで多くの症例に向き合い、技術の研鑽を絶やすことなく続けてまいりました。
専門医としての誇りと責任を胸に、常に「本物の治療」を追求しています。私のポリシーは、単なる一時的な変化ではなく、中長期的に効果が続く質の高い医療を提供することです。患者様お一人おひとりの悩みに真摯に向き合い、最適なデザインと確かな技術をお約束いたします。