- 美容皮膚科
- シミ
- Discovery Pico Plus(ディスカバリーピコプラス)
- ルメッカ
そのシミ、実は種類が違うかもしれない。正しい治療を選ぶために知っておきたいこと

「シミにレーザーを当てれば治る」
——そう思っていませんか?
実は“シミ”には複数の種類があり、種類を間違えると、治らないどころか悪化することもあります。
美容医療では「どのレーザーが良いか」に注目されがちですが、本当に大切なのは、
“そのシミが何なのかを正しく診断すること”
です。
今回は、形成外科専門医の視点から、シミの基礎知識と、Belle Via Clinicで行っているシミ治療の考え方について解説します。
PART 1|そもそもシミって何?

Q. シミとひとことで言いますが、全部同じですか?
いいえ、まったく別物です。
一般的にはすべて「シミ」と呼ばれていますが、医学的には少なくとも5〜6種類の異なる疾患があります。
それぞれ、
- 原因
- 色調
- 深さ
- 治療法
が異なるため、“同じ治療”では対応できません。
代表的なものを簡単に整理すると、以下のようになります。

老人性色素斑
一般的な「シミ」と呼ばれるもの。
境界が比較的くっきりしている茶色い色素斑で、頬・額・手の甲など、紫外線が当たりやすい部位に出現します。
雀卵斑(そばかす)
小さな淡い色素斑が散在するタイプ。
鼻周囲〜頬に多く、遺伝的要素が強いのが特徴です。
肝斑(かんぱん)
左右対称にぼんやり広がる色素斑。
頬骨の上に出現しやすく、摩擦や熱刺激で悪化することがあります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
灰色〜青みがかった色調が特徴。
真皮という深い層に色素細胞が存在するため、通常のシミとは治療法が異なります。
炎症後色素沈着(PIH)
ニキビ・外傷・施術後などの炎症のあとに残る茶色い色素沈着です。
脂漏性角化症
盛り上がりやザラつきを伴う“イボ状のシミ”。
加齢とともに増えることがあります。
Q. 老人性色素斑と肝斑はどう違うのですか?

この2つは見た目が似ていることが多く、診断が非常に重要です。
違いとしてわかりやすいのは、
① 境界の明瞭さ
老人性色素斑は輪郭が比較的はっきりしています。
一方、肝斑は境界がぼんやりしていて、グラデーションのように広がります。
② 左右対称かどうか
肝斑は、ほぼ左右対称に出現します。
逆に、片側だけのシミは肝斑ではないことが多いです。
当院では、肌診断機(NeoVoir3D)を用いて、

- 色素が浅いのか
- 深いのか
- 肝斑が混在していないか
などを確認しながら診断を行っています。
Q. そばかすとADMはどう違うのですか?

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、日本人に比較的多い色素疾患です。
30代以降に頬やこめかみに出現することが多く、そばかすと似て見えることがあります。
ただし、大きな違いは、
“色素の深さ”
です。
そばかすは表皮という浅い層に存在しますが、ADMは真皮という深い層に色素細胞があります。
そのため、
- 表面のシミに有効なレーザー
- 真皮まで届くレーザー
では、選択がまったく異なります。
正しい診断なしに治療を始めると、
「何回やっても改善しない」
という状況になりやすいのです。
Q. 肝斑にはレーザーをしてはいけないって本当ですか?
「レーザーは禁忌」というより、
“強い刺激で悪化する可能性がある”
というのが正しい理解です。
肝斑のメラノサイト(色素細胞)は非常に刺激に敏感で、
- 強い熱
- 摩擦
- 紫外線
などによって、逆に色素が増えてしまうことがあります。
現在は、
ピコトーニング
と呼ばれる、非常に低いエネルギーでゆっくり照射する方法が主流になっています。
当院でも、
- Discovery PICO Plus
- 1064nm
- 低出力照射
を用いながら、少しずつ改善を目指します。
また、
- メソナJ
- トラネキサム酸
- えビタミンC
- 外用治療
- 遮光
などを組み合わせて総合的に治療していきます。
PART 2|レーザー・光治療について
Q. 「ピコレーザー」「IPL」「フォトフェイシャル」は何が違うのですか?
それぞれ仕組みが異なります。
ピコレーザー
「ピコ秒(1兆分の1秒)」という極めて短い時間でレーザーを照射します。
従来のように“熱で焼く”というより、
衝撃波で色素を細かく砕く
イメージです。
そのため、周囲組織へのダメージが少なく、PIHリスクを抑えやすいという特徴があります。
IPL(光治療)
IPLはレーザーではなく、複数の波長を含む光を広範囲に照射する治療です。
- シミ
- 赤み
- 毛穴
- くすみ
などを同時に改善できるため、
“肌全体の底上げ”
に向いています。
フォトフェイシャルは、このIPL治療の総称です。
Q. 当院ではどんな機器を使っていますか?
Discovery PICO Plus
イタリア・Quanta System社製のピコレーザーです。
- 1064nm
- 532nm
- 694nm(Ruby)
の3波長を搭載しており、シミの種類ごとに使い分けが可能です。
特に694nm RubyはADMなど真皮性色素にも有効です。
Lumecca(ルメッカ)
InMode社製の高性能IPL機器です。
雀卵斑(そばかす)や赤ら顔に特に相性が良く、
- シミ
- 赤み
- くすみ
を同時に改善しやすいのが特徴です。
Fotona SP Dynamis
Fotona社製レーザーで、
- Er:YAG(2940nm)
- Nd:YAG(1064nm)
を搭載しています。
脂漏性角化症や、肌のリサーフェシングなどに使用します。
Q. どのシミにどの機器を使うのですか?
老人性色素斑
→ Discovery PICO Plus が第一選択。
広範囲の場合はLumeccaを組み合わせます。
雀卵斑(そばかす)
→
Lumeccaが特に得意な領域です。
広範囲を均一に治療できます。
ルビーフラクショナルも効果的です
肝斑
→
Discovery PICO Plusによるピコトーニング(1064nm)
低刺激で少しずつ改善を目指します。
メソナJによる守りの治療も効果的です。
ADM
→ Discovery PICO Plusの694nm Rubyまたは1064nm Pico。
真皮まで届く波長が必要になります。
脂漏性角化症(盛り上がりのあるシミ)
→ Fotona SP DynamisのEr:YAG、またはEdge One(CO₂レーザー)を使用します。
隆起したシミにはCO₂・Er:YAGという選択肢
シミの中には、
- 盛り上がっている
- 表面がザラザラしている
- 厚みがある
タイプがあります。
これは、脂漏性角化症(老人性疣贅)の可能性があります。
この場合、一般的な“シミ取りレーザー”ではなく、
- CO₂レーザー
- Er:YAGレーザー
など、“削る治療(蒸散治療)”が適応になることがあります。
CO₂レーザー(Edge One)が向いているケース
CO₂レーザーは、蒸散力が強く、しっかり削れることが特徴です。
そのため、
- 隆起が強い
- 厚みがある
- 硬い
- イボ状になっている
といった病変に適しています。
一方で、熱作用が比較的強いため、
- 赤み
- 炎症後色素沈着(PIH)
が長引くことがあります。
Er:YAG(Fotona SP Dynamis)が向いているケース
Er:YAGレーザーは、水への吸収率が非常に高く、周囲組織への熱ダメージが少ないことが特徴です。
そのため、
- 薄い隆起
- 浅い脂漏性角化症
- 首やフェイスライン
- PIHリスクが高い方
などに適しています。
特に日本人の肌はPIHを起こしやすいため、
「必要以上に熱を入れない」
という考え方が重要です。
Q. 1回でシミは完全に取れますか?
シミの種類によります。
老人性色素斑では、1〜3回程度で改善することも多いですが、
- 肝斑
- ADM
などは体質的要素も強く、複数回治療が必要です。
また、シミは“取って終わり”ではなく、
- 紫外線対策
- 内服
- スキンケア
などによる再発予防も重要になります。
PART 3|施術後のケアと注意点
Q. レーザー後に気をつけることは?
最も大切なのは、
紫外線対策
です。
施術後の皮膚は非常に敏感なため、少量の紫外線でもPIHを起こすことがあります。
当院では、
- SPF50以上の日焼け止め
- トラネキサム酸
- ビタミンC
- ハイドロキノン
などを組み合わせながら、術後ケアも重視しています。
Q. PIH(炎症後色素沈着)が心配です
PIHは、
- 色黒肌
- 過去にPIH歴がある
- 紫外線対策不足
などで起こりやすくなります。
当院では施術直後にケアシスを使用し、
- 冷却
- 炎症鎮静
- 有効成分導入
を行うことで、PIHリスク軽減を図っています。
Q. シミ治療におすすめの季節は?
最もおすすめなのは、
秋〜冬(10月〜3月)
です。
紫外線量が少なく、施術後の色素沈着リスクを抑えやすいためです。
もちろん夏でも施術は可能ですが、より慎重な設定で進めていきます。
まとめ
- “シミ”には複数の種類がある
- 種類によって治療法は大きく異なる
- 肝斑は強い刺激で悪化することがある
- ADMには深部まで届く波長選択が必要
- 治療後の遮光・PIH対策が非常に重要
Belle Via Clinicでは、
- Wood灯
- ダーモスコピー
- 肌質評価
を行いながら、患者様ごとに最適な治療方法をご提案しています。
「自分のシミがどのタイプかわからない」
「過去にシミ治療で悪化した経験がある」
という方も、まずはお気軽にご相談ください。
記事監修医師
BelleViaClinic 院長
加藤 秀輝
日本専門医機構認定
形成外科専門医・指導医
整形外科専門医
日本美容外科学会 (JSAPS) 専門医
日本頭蓋顎顔面外科学会 専門医
【他資格・所属学会】
大学医学部を卒業後、形成外科および美容外科の最前線で研鑽を積み、日本専門医機構認定の形成外科専門医を取得。通算20年以上のキャリアの中で、JSAPS専門医をはじめとする複数の専門資格を保有しております。これまで多くの症例に向き合い、技術の研鑽を絶やすことなく続けてまいりました。
専門医としての誇りと責任を胸に、常に「本物の治療」を追求しています。私のポリシーは、単なる一時的な変化ではなく、中長期的に効果が続く質の高い医療を提供することです。患者様お一人おひとりの悩みに真摯に向き合い、最適なデザインと確かな技術をお約束いたします。
